術後の選択肢

乳癌手術後の4つの選択肢を考える

術後をどう過ごしますか?

乳癌手術の前はそのことで頭がいっぱいになるかもしれません。ですが術後をどう過ごすかということも手術前に考えておくことも大切です。

手術後の4つの選択肢

乳がん手術後、その部分が自分の目で見えるだけにどう過ごすか悩ましいところです。過ごし方には4つの選択肢があります。それぞれメリットやデメリットがありますので良く理解しご自身にあったものを選んでいくことが大切でしょう。

 

1、装着タイプの人工乳房を使う

10年余り前に登場しだんだん進化してきました。医療関係者の間でも認知されてきており「乳房再建手術より貼り付けタイプの人工乳房の方が良いと思います」とお話しされる医師も増えてきました。リアルな人工乳房は日本独自の製品であり数社しかメーカーがありません。その製品は各社で違いがありますから実物を見て使い勝手や自分にあるかどうかを確認することが大切でしょう。

<メリット>
手術をしないで良いのでお手軽。乳房再建手術と違いすべての患者様向けに作成することができる。再建手術のようにいろんな心配をしないで良い。

<デメリット>
接着剤で装着するタイプは着脱が面倒(ナチュラルブレストの人工乳房は接着剤を使わず簡単に着脱可)。永久的に使えるものではないから買い替えが必要となる。

2、乳房再建手術を受ける

2014年に乳房再建手術が保険適用となったので乳房再建手術を受ける人が増加しました。乳房温存手術(乳房一部切除手術)をするとこの乳房再建手術ができないので全摘出をする患者様が増えています。再建手術を積極的に実施している医療機関もあります。乳房全摘出をされたうち30%前後の患者様が乳房再建手術をされていると思われます(2019年6月)。

<メリット>
自分の胸を膨らませて乳房を形成するので、つけたり外したりの煩わしさがない。残存した胸と同じように形成できれば違和感が少ない。

<デメリットや心配ごと>
・自分の胸に再度メスを入れることになるので心理的負担がある。
・健常な胸とそっくりに再建できる場合とかなり大きさや形が相違してしまう場合とある。
・胸の中に入れたエキスパンダーで皮膚を引っ張り膨らますので痛がる人もいる。
・胸の中に入れるシリコーンは破れて染み出すことがあるので2年に一回程度の検診が必要。もしシリコーンパッドが破れている場合には再手術が必要。
・胸の皮膚をひっぱり胸を形成するので健康な胸とのバランスを考え健康な胸も手術してシリコーンを入れ形を整える場合がある。
・乳首部分は形成しにくく難しい。
・横幅が広い乳房や下垂した乳房は再建しずらい。
・経年で残存した胸は下垂してくるが乳房再建手術で再建した胸は下垂しないので形状のアンバランスが生じる場合がある。
・術後のホルモン治療で太るケースがありその場合健常な胸が大きくなり再建した乳房とのバランスが悪くなることがある。
・約10年ごとに再手術してシリコーンパッドの入れ替えが必要。その際の医療保険は適用外。
・乳首の再建は乳房再建手術とは別途手術が必要。
・感染症のリスクがある。
・乳がんが再発している場合、検査の際に、シリコーンパッドのせいで発見が遅れる可能性がある。
≫2019年6月のニュース:再建手術用のシリコーンが原因でがん

<乳房再建ができない、又はできずらいケース>
・健常な乳房の下垂の程度が大きい場合は再現しにくい。
・体格の良い方の場合、胸の幅が広くなり再現しにくい。
・肋骨が見えるほど切除部分が大きかったり痩せている場合など。
・手術用のシリコーンパッドでカバーできない部分は、お腹や背中の脂肪などを移植します。切り取ってもってくる量とそれを入れる胸部分の量とのバランスが合わない場合は再建手術ができない場合があるようです。

3、パッドを使う

取り組み安いので一番この方法で過ごしている方が多いようです。ブラの中にパッドタイプの商品を入れて形を作るものです。ブラの中に入っているだけなので体と接着していないタイプになります。通常は「パッド」などと呼ぶものです。

<メリット>
お値段が2~3万円程度でお求めやすい。またブラの中に入れて使用するだけなので簡単に取り組める。

<デメリット>
ブラの中に入れて形作るだけなので、温泉に入ったりするときには使えない。体とは離れているものなので体のバランスはとれない。スポーツには使いにくい。また重量的に重たいものも多い。ブラジャーは専用を用意するがお値段が張るものが多い、またブラジャーを数枚用意することになるので思ったより費用がかかる場合が多い。

4、そのまま過ごす

そのまま過ごすという方法もあります。